超常現象企画
「ビートたけしの知らない世界 超常現象SP」
この番組内にて、
なんかもうほんっとーに
体外離脱が起こったとしか考えられないような
体験談が語られた模様。
大槻教授も最後は「不思議ですね~」。
‥いや、そうじゃないでしょ!(笑)
タレントが語る体外離脱体験
このTV番組は年末恒例のもので、
昔はよく、大槻教授と韮澤編集長がバトルってたやつ。
大槻教授と言えば火の玉研究が有名で、
その手の超常現象的なものに物理学で挑むことで
名をはせた人物。
大槻教授との邂逅
80年代から90年代にかけて話題になった
「ミステリーサークル」。
教授はこれの調査・研究でも有名だった。
今「ミステリーサークル」と聞いて
どのくらいの人がピンと来るのか来ないのか
よく分かりませんが(笑)
それは麦畑に現れる円形のパターンですね。
ま、上空からでなく目の高さからの撮影だと
どうしても全体像が分かりにくい写真になってしまいますが。
年とともにその形状は複雑化・緻密化していくというところに
自然現象ではない「人為性」を感ぜざるを得なかった(笑)。
で、私は大学3年生の時、
大槻教授のミステリーサークル調査チームに加わり、
イギリスに渡航しました。
その時の写真がコチラ
このようなキャンピングカーに交代でこもり、
徹夜観測したのです。
あ、ちなみに右端の、ビデオカメラ覗いているご仁は
現在東京国際専門職大学兼任講師の藤木文彦氏。
UFO研究で有名ですね。
研究を進めるうちに
宇宙人が乗っている宇宙船という意味でのUFOについては
否定派になった方です。
こちらが大槻教授(左端)。
右端は現地イギリスの気象学者・ミードゥン博士。
で、ミステリーサークルの中に分け入って
調査したりしましたよ、と。
イングランド南部のチッペンハムという田舎町に逗留し、
ここを基地にあちこち回りながら、
昼に夜に観測活動を繰り広げました。
帰国後は早大理工学部の大槻教授の研究室に一泊させてもらい、
理工学部の建物(18階建て)は当学部建築科の教授が設計したが
建ててみたら傾いたので罰として最上階が建築科だ、
‥などという逸話を聞かせてくれました。
高城れに氏の体外離脱体験
思い出話はこれくらいにして、と(笑)
その番組内では出演者が、
超常現象「肯定派」と「否定派」に分かれて
「激論」を交わす。
しかしそこは、あくまでバラエティ番組。
学術論争というよりは、
感情丸出しの言葉のつばぜり合い。
「論争」する風景を楽しむ的な要素が強い。
という訳で、
番組で何か科学的に検証するのが一義的目的ではない。
そこを踏まえたうえで‥
2020年末のこの番組ではももクロの高城れに氏が、
自身の体外離脱体験を披露。
当人曰く
「『幽体離脱で空を自由に飛べないかな』
などと考える日々を過ごしていた。
その目的で、
寝入りばなに『魂を抜く』イメトレをしていた。
である時、本当に「抜けた感覚」を得た。
横たわる自分の身体を上の方から客観視でき、
自由に空間を飛ぶリアルな感覚があった。
外に出、都内、大阪、函館、
さらにはアメリカ上空を飛び回った。
そして、大気圏を抜け宇宙にも飛び出した。
青くて美しい地球を見て感動した。
このような体外離脱体験ができたのは、
高校の3年間だけだった。」
所属する音楽ユニットのコンサートツアーで
名古屋に来た折、
初めてきた場所なのに
「そこを曲がると病院がある」と。
で、実際に病院があって
他のメンバーもびっくり。
体験談には魔物が棲む
この「体外離脱体験」の証言で
超常現象肯定派は大盛り上がり。
特に後半の病院の件なんかは、
この体験話がホンモノの体外離脱としか思えない、と。
中学時代の思い出
実は私も似たような経験があるのです。
中学生の時、私は教室の中にいたのですが、
ふと、友人のH君が目の前の入り口から
入ってくる気がした。
なんらの外的要因やきっかけもなく、
ただ、ふとそう思えた。
「Hが入ってくる。」
指さしながら周囲の友人に言うと、
本当にものの1~2秒で
H君が入ってきた。
「角を曲がったら病院‥」とは状況が異なり、
体外離脱のせいにはできないが、
「未来に目の当たりにすることを予知」
したという点では共通だろう。
予知した感覚、それホンモノ?
この現象だけを見ると、
Hが入ってくることが本当に予知された感じがするのは否めない。
けどそれ、本当なのだろうか?
慶応大学・前野教授によれば、
人は無意識のうちに思考・知覚・記憶想起の
並列分散処理を行っている。
例えば今ノートPCでブログ書いている私は、
次に書き出す文章を考える時、
当然その文章内容について思考する傍ら、
PC画面を見、
PC画面以外の部屋内の風景を見、
座っているソファの圧力を尻で感じ、
キーをたたく感触を指先で感じ、
外を走る車の音を聞き、
エアコンの吹き出し音を聞き、
加湿器の音を聞き、
かすかな洗濯機の音を聞き、
アロマのにおいを感じ、
コーヒーを味わっている。
これら全てを同時並行で行っている。
ということは、脳はこれらの情報処理を
並列分散的に、かつ「無意識に」
行っている、という訳です。
もっとも分かりやすいのは寝ている時。
夢の中で起きることは支離滅裂。
今の職場に小学校時代の友人がいたり、
かと思うと場面は急に実家のとある部屋、などと
突発的に多様なできごとが、
脈絡もなく雑多に起こっていく。
これはまさに脳の無意識部位の並列分散処理の現れだと言う。
その無意識の多くの処理結果の中で最も主要な、
つまり最も多くの脳神経細胞が処理に参加した事項が
意識に上り、記憶部位に貯蔵されるのだそう。
つまり、突発的に雑多な内容の記憶や思考・感覚が
ふいに意識に上ってくることは日常的にある、ということ。
そしてそれがたまたま
「その角を曲がったら病院がある」感だったり、
「今H君がその入り口から入ってくる」だったり。
勿論未来に起こる事象に関することは
多くの場合「はずれる」。
実際、はずれることがほとんど。で、これは
「記憶に残らない」=「なかったことになる」。
それがたまたま当たると‥
超感激、びっくり。周りにも言いたくなる(笑)。
印象に残り記憶にも残る、と。
人の記憶はあいまい
記憶に関する有名な実験があります。
それは「誤った記憶を人に人為的に植え付ける」、
というもの。
人為的「記憶植え付け」実験
実験では被験者に、幼少期の記憶を尋ねていきます。
が、その前に‥
ある特定の事実が「過去に存在しない」ことを
事前に両親その他、身内の人たちに聞いておきます。
例えば「5歳の時ショッピング街で迷子になった」
ことがなかったことを確認。
その上でこの迷子事案を記憶に植え付ける、
という実験です。
肉親からは、被験者の幼少期に実際に起こったことも
3つ聞き出しておきます。
で、この実際にあった事実と架空の迷子事件の
計4つの出来事を紙に書き、
被験者に渡します。
そしてそれぞれの出来事を思い出したかどうか、
聞き取り調査をしていくのです。
もちろんこの時被験者は、
その中に架空の事件が含まれていることを知りません。
その結果、実際に起こった出来事については
その68%が思い出されたのに対し、
架空の迷子事件についても、
26%の人が「思い出した」のです。
ニセの記憶を持たせる実験は
この他にも行われてきました。
他者がイメージを操作したり暗示を与えたりすることにより、
人にニセ記憶を本当の記憶として「思い出させる」ことが
できることが分かった。
要するに、記憶は単に薄れるだけでなく、
環境など外的要因により
入れ替わることもある、ということ。
自覚があるようでない記憶のあいまいさ
「人の記憶はあいまい」と言われると
「わかってるよ」と言われます。
そりゃそうだ、と。
日常生活での物忘れが念頭にあるのでしょう。
単なる物忘れは、自覚しやすい。
二階に上がって「あれ、なに取りに来たんだっけ?」
は、分かりやすい。
たまに通る街角の建物がある時突然変わっていると、
以前建っていた建物が思い出せないことはよくあること。
下手すると建て替えにすら気づかない。
しかし、建物がなくなっただけなら、
その跡のさら地には当然気づきます。
つまり、「無くなった」ことには気づきやすいが、
AからBへの「変遷」は気づきにくい。
記憶もある意味そのようなもの。
入れ替わっても気づかず、
記憶の確からしさにだけは確信を持ったまま。
体験談はこう受け取る
タレント大槻義彦の限界
大槻教授は永年バラエティ番組に出演する中で
知識人というよりはタレントとしてのキャラが強くなり、
議論の仕方にもいろいろ癖がある。
限られた時間の中で致し方ない面もあろうが、
それはある意味では科学者らしくなかったりもする。
ここで挙げた高城氏の体外離脱体験談についても、
こういった記憶のあいまいさまで踏み込めなかったのが残念。
ま、それを覚悟のうえで番組出演されているのでしょうが。
自分の記憶は、
まさにそれが「自分の記憶」であるがゆえに
疑いを持ちにくい、ということ。
「こうであって欲しい」という期待が
それに沿った形で記憶をすり替える、
ということも起こりえる。
例えば高城氏は、「幽体離脱したい」という願望があり
「魂を抜く」イメトレをしていた、と。
その幽体離脱願望が、
記憶を都合よく変容させた可能性も考えられる。
意図するにせよしないにせよ、
記憶内容は装飾されやすい。
これも一種の変遷なので、
その変化に気付きにくい。
超常体験談は楽しみつつ受け流す
あの番組の中では高城氏が、
「あの角曲がったところに病院がある」
と、角を曲がる前に友人に言い、
そして曲がってみたら本当にあったということになっている。
ところが実際に起こったことは、
心のなかで「曲がったら病院が‥」と思い、
曲がったら実際に病院があったので
自分でも驚いて、予知できたと吹聴する。
それが装飾を受けて、
角を曲がる前に友人に言ったことになった。
友人もその記憶の変遷を受け入れた。
或いは、
初めての土地なので実は事前に地図を見たことがあり、
近所に病院があることもある程度把握していた。
今は現在地の地図もスマフォで簡単に出せるし、など。
ほぼイチャモンですが、
これは可能性の話。
無いとは言えない。
というより、記憶の特質から考えたら
大いにあり得ることなのです。
むしろ他人の言うことをなんでも真実と受け入れる姿勢の方が
よほど不自然。
だって、根拠ないでしょ?
超常現象に限らず人の体験談というのは、
上述のようなさまざまな種類の記憶のエラーが
起こりうることを念頭に置きながら
聞くのが安全だ、ということ。
でその中身がこと超常現象に関することだったら、
真に受けず、深入りもせず、気楽に楽しみましょうよ、
‥ということです。
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