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高精度な時計を求めて

今日GPSは我々の生活に深く入り込んでいる
(ヾ(´▽`)ノオハヨウ(o´_`)o)ペコッ

卑近な例はスマフォの位置情報
あとカーナビね

カーナビが実際の位置と何kmもずれていたら困る、よね?
そういうことがないように
あのシステムの中では細かい計算が行われている

どのくらい細かいかって
相対論を組み入れた、精緻な計算ですよ! p( ̄o ̄)qオッ!!

GPSシステムではそれ専用の人工衛星が30個くらい飛んでいる
地球上のどこにいても
常時4つ以上(通常5~6個以上)のGPS衛星が
空のどこかに必ず見えている計算

それらの衛星から同時に電波受信することにより
自分の位置を求めることができる b(^o^)d

それらの衛星は時計を積んでいる

衛星から
その衛星の位置
その衛星に積まれている時計の時刻の情報を得る

それらの情報をもとに自分の位置が計算されるのです

というわけで
衛星搭載時計の時刻が狂えば
位置情報もずれてしまう

なので衛星の時計には高い精度が求められる
パチッ☆-(^ー’*)bオッケー♪

‥求められるんだけど
単にその時計自体が正確に時を刻む、というだけではダメ

地上で電波を受信する我々が受け取る時刻情報は
2つの相対論効果により自動的にずれる

なので適正に補正してやる必要がある

まず
1)特殊相対論効果

特殊相対論によると、早く運動しているものほど時計の進みが遅い
早い話
電車に乗っている人の時計は
地上に立っている人から見ると進みがちょっと遅い

GPS衛星は時速約14000kmという
なかなかの高速で飛んでいる ∑( ̄[] ̄;)!ホエー!!

この速度だと
地上から見てGPSの時計はだいたい
120億分の1
遅くなる

次に
2)一般相対論効果

相対論によると
重力が強いほど時計の進みは遅い

GPS衛星は地上2万kmの高度を飛んでいる
(ちなみに気象衛星「ひまわり」等の静止衛星の高度は3万6千km)

この高さだと、当然ながら地上より地球重力は弱いので
衛星搭載時計は地上より進みが早くなる

どのくらいかというと
19億分の1

 

1)と2)の効果は逆向きだが重力の効果が勝っており
差し引きで
GPS衛星の時計は地上の時計より進みが早い

この効果を補正して計算しないと
GPS情報は1日に約10kmずれることになる

‥こんなにズレたんじゃ、使えないもんねぇ ヾ(・ω・o)

では、GPS衛星に搭載されている時計とは一体何なのか?

ここまでの話でそれを
ぜんまい仕掛けか何かと想像する人はいないでしょう
相当精密な時計が積まれていそう、だよね!

実際、原子時計という
現代最高精度の時計が使われている

量子力学的に
原子はそれと共鳴し吸収する光の周波数がバシッと決まっている

それ以外の周波数の光は吸収してくれない

これを利用し
時計にはルビジウムやセシウムに共鳴して吸収されるマイクロ波
周波数が利用されいている

これで時刻は
1000兆分の1秒くらいまで正確に測定できている
要するにものすごく正確!

‥なんだけど、実はこれをもっと精密にしようという研究が進行中
(ノ゚ω゚)ノ*.オオォォォォォォォー

東大・香取研では
レーザの干渉を用いた光格子を生成

要するに空間の中に
原子が入る箱をたくさん作るイメージ

たくさん捕らえられた原子に対し
別のレーザ光を照射して
その共鳴する周波数をもとに「1秒」を決定する

マイクロ波より可視光の方が周波数が高い分
高精度化できる、というわけ

捕らえる原子は多ければ多い程良いが
現状では1000個程度
これを100万個まで向上させれば実用的

得られる精度はなんと100京分の1!

これ、どのくらい高精度なんでしょう?

おおざっぱに言うと
1000億年で1秒の誤差が出る程度

宇宙の歴史が138億年
‥つまり、ビッグバンからこの時計が存在したとして
現時点でまだ1秒もズレていない! ・・・(゚_゚i)タラー・・・

しっかしそれにしても
なんでこんな高精度な時計を求めるのか? ヾ(・・;)ォィォィ

「そんなのいらねーじゃん」
と思うでしょ?

ところがそうでもない

さっき高度2万kmのGPS衛星の時計の相対論効果を補正する、と言ったけど
これがもっと高精度化できる

何と数mの高さの差による重力の違い
これによる相対論効果を補正できる

この、重力のわずかな差により時計に生じる誤差を逆用し
2地点間の高度の差を、高い精度で求めることができる

超高精度な測地が可能になる、というわけ

あとは、わずかな重力の変調を検出できることから
地中に遍在する鉱物資源の探索にも応用できることが期待できる
(゚▽゚*)♪

資源の乏しい日本ではことのほか有用、かもよ?

基礎科学的にも一般に
「曲がった時空」探索ができるようになり
時空に関する新しい(一般相対性理論を超えた)理論に
結びつくかもしれない

‥という意味で、とても興味深い研究です

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撮影:中川愛美

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