天文学者と物理学者と数学者の仲良し3人組が
鉄道でスコットランドを旅していた。
のどかな丘陵地帯の草原の風景が流れる。
その中に一匹の羊がいた。
その羊はなぜか黒かった。
それを見て3人はそれぞれこうつぶやく。
天文学者:
「スコットランドの羊は黒いのだ」
物理学者:
「スコットランドには少なくとも一匹、黒い羊がいる」
数学者:
「スコットランドには少なくとも一匹の羊がいて、
その少なくとも片面は黒い」
‥これは「厳密な思考」を例えた有名な笑い話。
(そんなに笑えないけどさ)
この数学者みたいのが本当にいたら、
その人と楽しく会話‥は無理そうですね(笑)
※羊を「匹」で数えるか「頭」で数えるかは
厳密には決まっていないようです。
ここではこの考察を参考に、「匹」で統一します。
数字の並びのルールを確かめよう
ロンドン大学で行われた、とある認知心理学の実験。
「2,4,6」はもちろんこのルールに沿っているので
回答はYES。
さあ、あなたはどんな数字の羅列を作って質問しますか?
質問の傾向
実際によく挙げられた質問の事例が
「8,10,12」などの「偶数の列」
もしくは
「10, 20, 30」といった「等間隔の数列」。
確かにどちらも、「2, 4, 6」から
容易に類推されるものです。
ところが実際のルールは単に
「増大する数列」
だったのです。
ベン図で表すと、
それぞれの範囲は「偶数の列」が最も狭く、
「増大する数列」は、この中では当然ながら最も広い。
実際の実験で被験者たちから出された質問は、この
「偶数の並び」
や
「等間隔の数字の並び」
を想定し、その正しさを確かめる質問
(「8, 10, 12」や「10, 20, 30」のような)
ばかりでした。
認知の偏り「確証バイアス」
自分の想定の正しさを確かめようとするこの傾向は
確証バイアスと呼ばれます。
バイアスとは「偏り」。
人の認知機能には、
この偏りが内在されています。
確証バイアスがあるために、人は
自分の想定が正しくないことを
なかなか確かめようとしません。
もし「これは偶数の列だろう」と思ったとしても、
そうじゃない可能性、例えば
偶数と奇数の混ざった数列、
「8, 9, 12」を提示しようと思えばできます。
だが、確証バイアスがあるために
中々その発想に至らない。
でももし、
ルールは「偶数の列」だろうと思い
ハズレだろうとは思いつつも「8, 9, 12」を
提示したらどうなるか?
勿論その答えは
(自分の予想に反して)”Yes”。
ここで、求めたいルールは「偶数の列」では
なかったことが分かるのです。
しかし実際にはほとんどの人が、
誤ったルールを正解と思い込み、
その確認をするだけだった。
確証バイアスのために。
人は知らないうちに「ジャンプ」する
冒頭の羊の逸話は別に、
数学者が物理学者や天文学者より優れている、
ということを言っているのではありません。
人は得てして
根拠なく物事を決めつける傾向がある、
ということです。
それは科学者も例外ではありません。
論理的に考えれば結論を出せないことや
疑問が残ることも飛び越え、
飛躍(ジャンプ)してしまうのです。
しかし本来、科学研究において
そのような論理のジャンプは許されません。
一歩一歩段階を踏み、
うのみにせず疑問を持ち、
皆で確かめ合いながら、
少しずつ進んでいくのです。
確証の得られた事実以外は、
可能性を指摘するにとどめる。
科学者の議論はよく歯切れが悪いと言われますが、
それはやむを得ないことであり、
本質的に、科学者は慎重・謙虚なものであり、
またそういった態度こそが、
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