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「仮説」提示の重要性と難しさ-不思議現象研究に不可欠なものとして-

光の草原

世の中「仮説」の何たるかも知らない「自称『科学者』」が余りに多い、と実感する今日この頃‥
つらつらと書いてみた、仮説提示の重要性とその難しさ。

気功、遠隔治療、生まれ変わり‥

こういう現象を科学の専門の立場で扱う難しさ

その一端は、「現象」と「理論」の危うさ

二種類の物理学

物理学には大きく分けて2つのカテゴリー、すなわち

「実験物理学」

「理論物理学」

があります。

実験物理学では実験や観測を通じて、
この自然がどのような姿をしているのかについての知見を得ます。

日本の探査機が小惑星の砂を取って地球に戻って来た、
なんてのは記憶に新しいところ。

あれなんかも、大きく分ければ実験物理学の範疇に入ります。

対して理論物理学とは、
実験や観測活動を通じて得た知見を活かして、
自然への理解を体系化するため、
現象論的な理論研究や理論モデルの提示を行います。

様々な現象の背後にひそむ法則性を導き出してそれを体系化、
一つの理論に仕立てる、なんてことをやる。

私は後者、つまり理論物理学に属します。黄昏の空

「仮説」を提示する意味、その重要性

「未解明・未知の現象が起こっている」ことが分かった、としましょう。

その場合、その現象を科学的に理解するために、
どのようなステップを踏むのでしょうか?

1)まず、仮説の提示
その未知なる現象を説明可能な新説を理論研究者が考案し、皆に提案します。
私の「PF理論」もその1つ。

2)仮説の検証
仮説はそのままでは正しいかどうかわからない。
正しいか間違いかをしっかり「検証」します。
しかし、どうやって?
「正しい」、「間違いの判定」は人間が勝手にすることはできません。
「自然」にお伺いを立てます。
そう!ここで実験物理学の登場となるわけ。
実験により、その理論が正しく自然界を表しているかどうかを確かめるのです。
これが「自然科学」の自然科学たるゆえん。

3)「正しい」理論発見
はい、で、検証実験により、とある仮説が「正しい」と判明しました、と。
「めでたしめでたし」
‥とはならない!(笑)

4)その理論の適用限界を模索
「正しい」なら「正しい」として、ですね
どこまで正しいのか?
‥を、きちんと見定めないといけない。
科学の理論には必ず
その正しさの限界、つまり「適用限界」があるのです。

5)適用できない現象の発見
‥で、実験を繰り返すうち、
ある場合にはその理論が正しくないことがわかる、と。
つまり、ある領域
(より高エネルギー、より高圧、より低温、より遠くの宇宙、などなど)
では、その理論が当てはまらない現象が見つかったりする。

6)その現象を説明する新たな仮説の提示
でこの、新たな仮説をまた検証していく、
ということで2)から以下繰り返し。

この無限ループの繰り返しで科学は発展して生きたのです。
どうです?ものすごーく手間かかってるの、わかります?

この他にも、
例えば、特に素粒子物理学などは実験が理論に追い付かず
(実験が非常に難しいため)、
理論先行となる場合があります。

その場合は未知の現象発見よりも理論研究が先行するため、
別のループをたどることになる、例えばこのように。

新たな理論モデル構築

その理論が予測する新粒子や新現象の探索のための実験や観測技術の向上

観測・実験(通常結構大変、特にお金)

新粒子や新現象が見つかればその理論は「正しい」、
(ただし、適用限界の探索がその後に続く)
見つからなければ他の可能性も探求

‥などという過程を経て、科学研究は進みます。

要するに物理学研究は

「現象」と「理論」

どちらかが先行して(確かなものとして)進歩することが多い、

と言うことです(「確か」=「正しい」ではない)。宇宙レンズフレア

気功や生まれ変わり現象の研究の難しさ

私の扱う気功や生まれ変わりなどの研究の難しさは、
現象と理論、どちらも不確かであることが多い、ということ。

分かりやすい例えとしては、
「私はUFOを見た」とか「幽霊を見た」とかの体験談をいくら集めても、
すぐにUFOや幽霊の存在を事実認定する態度は「科学的」とは言えません。

そして、それだけで事実認定する人
(ちまたの「UFO研究者」とか霊能者のたぐい)は
科学者とは認められません。

一般に「体験談」は、それだけでは科学的エビデンスとはならない。
それはなぜかと言うと、
人の「体験」がとても曖昧性を帯びているからです。

例えばこんな実験があります。

車どうしの衝突の写真を被験者に見せ、
どのくらいのスピードで衝突しているかを予測してもらいます。

被験者をA,B 2つのグループに分け、
Aグループには「車の『接触』事故の写真です」、

Bグループには「車が『激突』している写真です」と説明。

※実験が行われたのはアメリカなので実際は英語。

で、それぞれのグループで車のスピードの予測値を平均する。

その結果平均値は、
Bグループの方がAグループより有意に高かった。

つまり人は言葉の印象(「接触」と「激突」)で、
記憶内容が変容する、と言うことです。

これはほんの一例ですが、要は人の記憶はその後に与えられる情報で変化する、
つまり、人の体験談を額面通り受け取ることはとても危うい
という事なのです。

要するに、体験談の積み上げだけでは科学的エビデンスたりえない、ということ。

例えば生まれ変わりの事例収集において、
子供の「前世記憶」の証言を集める、という時、
それが本当にその子の前世の記憶を表現しているものなのか。

もしそうだとしても、どの程度「正確」か。

これを見定めるのはなかなか難しい。

繰り返しますが、「前世記憶」の証言だけでは
生まれ変わり現象の存在を認めることはできない。青空と色とりどりの木

救いの手は「統計学」

しかし一方で注意しなければならないことは、
「根拠がない=その事実がない」ではない、
と言うこと。

体験談が、未知の自然像を反映している可能性もあるからです。

例えば、「何らかの体験内容が、算命学や陰陽五行などで説明できる」という論法。

「人生には、個人の営みを超えた普遍的な周期があり、
それは統計学的に明らか。
それを知ることで周期のリズムに乗って生きることができ、
人生がうまくいく」

算命学や陰陽五行は「統計学」に基づくもので
いわゆる「占い」ではない、とのこと。

統計データそれ自体は科学的エビデンスになり得るものです。
しかしもちろんそれは、適切に扱ったうえでの話。

この「適切に」というところがまさに統計学の骨頂であり、深いところ。
単に「統計取って得たデータ使ってます」ではダメなんです。

例えば、
経験則を集める際に

「やる気があったのに急に興味がなくなる時期があったことはないですか?」
「過去に興味の的が急に変わる時期がありましたか?」
「行動が結果を出しやすい時期とそうでない時期がありましたか?」

というアンケート。

こういう風に聞かれると何となく「Yes」と答えたくなるもの。

しかしこれだけをもってして、
「人生にはリズムがある」と統計学的に断ずることはできないのです。

それはこれらが体験談に基づいているから。

「人の体験談は危ういものであり、質問の仕方で内容が変容する」

このことは上で見た通り。

「理論」の側(算命学や陰陽五行など)を直接、例えば物理学などで科学的に検証できない以上、
事例を収集して確かな現象を積み上げ、
統計学的、帰納的に明らかにしていくというのはまっとうな科学的手法ですが、
その「現象」自体もあいまいなままだとすると、
もはや「科学」を標榜するに能わず、ということになります。

きちんとエビデンス化しようとするなら、
(認知)心理学等の専門家も交えて、高度に専門的な実験を設計していく他はないのでは?

科学的だと認められるような統計データが積みあがれば、
こういう分野も非科学と異端視されず、
正当な科学の一分野として研究の議題に挙がってくると思います。

そうなる日が来ることを祈念しつつ、私は理論面からやっていこうと思っています。

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