魔女狩りに見るオカルトの脅威

魔女

「魔女狩り」

ご存知でしたか?

それは
14世紀から18世紀にかけ
ヨーロッパを席捲した
ある種の魔術信仰
Σ(T□T)

悪魔と契約を結んだ魔女
市民として生活を送りつつ
災いをもたらしている
と流布された

逮捕・虐殺の波は局地的・突発的に起こり
特に飢饉や疫病の蔓延などがあると
激しくなったらしい

トータルで数万人から
一説には20万人以上が捕らえられ
拷問にかけられ処刑された

今日では考えられないが
当時は悪魔と契約した魔女の所業で
災いが起こったと真面目に信じられ
公的機関で「きちんと」裁判・科刑が行われた

この魔女狩りの史実の
今日的意義を考えると
エセ科学との関連で
2つの共通点が浮かんでくる

1つ目は目撃情報の過大評価

魔女狩り事件のタイムストリームは
魔女と悪魔の集会「サバト」
これに参加していたという
目撃証言が発端となる

目撃証言が全てであった
(実際には領主の方針により
法適用の硬軟はあったらしいのだが)
「サバトに参加していた」とチクられたら最後
当人はほぼ魔女確定

逮捕され「自白」を強要される
自白するまで拷問にかけられる

自白したらしたで
結局は火あぶりや絞首刑で
命を落とす羽目に

逃げ道はない

当時のバンベルグ(ドイツ)市長ヨハネス・ユニウスが
魔女として逮捕・投獄され
火刑に処される直前に娘につづった手紙が残っています

拷問のために満足に使えなくなった手で
必死に書いたその手紙の中で彼は
無実の罪で死ななければならない無念や
娘への想いと共に

「嘘でもいいから自白した方が良い
そうすれば拷問を受けなくて済む
あなたはいずれ死ぬ」
と看守に言われた、とつづっている

いかに時代が
目撃談・自白偏重主義であったかが
うかがえる
(※英語の”witch”には女性に限定する意味はなく
ユニウスは男性)

今日において
幽霊やUFOの目撃談が
誇大に扱われる例が
無いと言えるでしょうか?

例えば心霊動画なんかで
専門家(いわゆる霊能者)が、やれ
「あそこに落ち武者の霊が立っている」
だの
「この池で子を亡くして悲しんでいる
母親の霊が見える」
だのと言う

その言葉1つ1つに
脇にいるタレントたちが反応し
驚いたり恐れおののいたり

「それがタレント業」
「そこに心はなく、数字のためにやっている」
‥と言ってしまえばそれまでかも知れないが
そこは影響力の大きいマスメディア
その「流れ」に持っていかれない
強靭な「自己」をどれだけ人は
保っていられるだろう?

2つ目は
検証不可能な仮説をよりどころとして
事象が成立している、ということ

「土曜の夜に
世界のどこかで
悪魔と魔女がサバトを開き
契約を結び
謀議を重ねている」

もちろんそのような事実はないのだが
問題なのはその「反証不可能性」
つまり
「サバトなど存在しない」
とか
それが存在したとしても
「その人がそのサバトに参加したことが
一度もない」
ことを誰も証明できない、ということ

ある種の信念・信仰が実在の根幹であり
社会通念もそれをベースとする

だから
拷問で仕方なく無実の罪を自白する可能性
などというものは検討されない
サバトも魔女も
存在すると言ったらするのだ

目の前の飢饉や疫病の問題を
解決するために
必ずいる魔女を見つけ出し
やっつけねばならない

 

ナチス政権下でユダヤ人は
Untermensch(人類以下)とされた

これにも根拠はないが社会的な信念とされた
その顛末はご存じの通り
犠牲者の数だけで見れば
魔女狩りよりはるかに被害は大きい

信念・信仰のみに基づく世界観を信じ込む怖さ
ひとことで言えば、そういうこと
(※ナチスの例では当時
ユダヤ人が劣等であることの「科学的」裏付けが
与えられた!
ナチス流に科学の側が捻じ曲げられ
「検証結果が与えられてしまった」
恐ろしい事実)

信念が正当な科学的検証過程を飛び越えて
事実認定された結果
大きな災いをもたらした事例は
日本にもある

オウム真理教の一連の事件がそれ

ここでは1つ1つ説明しないが

1)言葉の定義の明確性の検討
2)検証可能性の検討
3)エネルギー論的検討
4)確率論的検討

を経た検証過程を経ない事実認定は危険
ということです

ちなみに難易度順に並んでいます
1番手っ取り早いのが1)

言葉の定義
はっきりしないものは1個1個確かめましょう
(*^-°)v

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