Nishimuraさま
初めまして、都内在住の超心理物理学者・種市孝です。
私は、超心理学的な現象がもし存在すると仮定した時の条件について研究しています。
誤解されやすいのですが、「まじめに」物理学的に研究しており、査読付き学術論文や一般向け解説書の商業出版もあります。
こういう問題を扱っていると、スピリチュアルや疑似科学に傾倒した人と多く接するようになり、改めて世の中に疑似科学が蔓延していることに気づかされ、大学の研究室にいたころいかに自分が井の中の蛙状態であったかを思い知らされました。
それ以後「それでは疑似科学ではないホンモノの科学とはなにか、ホンモノであるとはどういうことか、科学思考はなぜ重要か」という問題に首を突っ込むようになりました。
それとともに、個人ブログでこの疑似科学問題を扱うことが多くなりました。
そのいくつかを紹介します。
「高校生使ってデマたれ流すSpringX「超学校」」
https://note.com/parasitefermion/n/n48d9fe8f26c1?sub_rt=share_pw
「学士会は疑似科学に手を貸すのか」
https://note.com/parasitefermion/n/nba8c49ead51a?sub_rt=share_pw
デマを吹聴する「理論物理学者」保江邦夫
https://note.com/parasitefermion/n/n057798f65487?sub_rt=share_pw
またそれと共に、科学知を専門家だけのものとせずいかに社会の共有財産とし活かすのかという問題についても考えるようになりました。
これには2011年の東日本大震災が契機となっています。
あの時は福島の原発事故を通じて、科学バッシングがSNSをにぎわせました。
「科学がこれほど発達しなければ、こんな事故は起こらなかった」と言う訳です。
災害が起こるたびに、科学界と一般社会の間の意思疎通における血栓がエコノミー症候群を引き起こすのです。
一定の反省があってか日本のみならず世界的に、専門家が知識を一般社会に「教え授ける」20世紀のスタイルから、それらの間をうまく橋渡しする科学コミュニケーションの重要性が認知され、専門的にそれに携わるコミュニケータも配置されるようになってきています。
私はそれをもう一歩進めて、原発などのトランスサイエンス問題については、科学者やジャーナリスト、政治家、かかわりのある地域住民などを交えたShared Decision Making体制が必要と思っています。
そしてサイエンスメディアセンターはその役割を果たしうるのでは、と勝手に思っています。
頼りにしたい専門家すら意図的に誤情報を流す現状がある今、膨大な予算を費やして蓄積された人類共有財産としての科学知をいかに社会の中で活用していくためには、このような社会としての体制作りに加え、社会を構成する私たち一人一人がある程度のリテラシーをもって情報に接していくことも重要です。
その為には「多面的に情報を捉える」、「自分で調べ考える」といった基本動作に加え、ヒトの有する認知のクセについても知る必要があるでしょう。
自分の信念に沿った情報は気持ちがよく、簡単にシェアしたりリポストしたりするのはその一面です。
デマはそうして拡散します。
情報化社会を停めることはできません。
頭の進化が万年単位でかかる人類が、年単位で進化する情報化社会をいかに手なずけるかについて、考え情報発信したいと思います。
その為にはジャーナリズムの協力が必要です。
ご一考くだされば幸甚です。