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いくら「未来志向」と言っても‥(1)

数列(数字の羅列)がある数字に近づいていくことを「収束」と言い、その数字の事を「極限値」と言います。

例えば、5を極限値として、これに収束する数列は、
{1,  2,  3,  4,  4.5,  4.7,  4.9,  4.995,  4.99995,  4.9999995,  ‥}
などという姿をしていたりします。

数列{a1,a2,‥}がある数Aに収束することを
学校では実際にどのように教えているでしょう?

高校数学では
「数列anがAに限りなく近づく」
と習います。

大学数学では、同じ内容を、

「任意のε>0に対しある番号Nが存在し、n>=Nを満たす全ての番号nについて|an-A|<εが成り立つとき、数列{an}はAに収束するという」

と表現します。

何となく、高校数学の方がイメージ通りで
分かりやすい感じしませんか?

対して大学数学の方はと言うと
いかにもとっつきにくい。
よーく考えないと、中々腹落ちするところまで行きません。

ところでこれらは同等でしょうか?
同等であるなら、分かりやすい高校の方だけを採用したいところです。

しかしそうは問屋が卸さない。

高校数学の方は、極限値のイメージを言っているにすぎません。
言葉遣いがイメージ通りであり
確かに受け入れやすいのですが
厳密性に欠けます。

一方、大学数学の方はというと
一見とっつきにくい印象ではありますが
極限値の厳密な数学的「定義」を与えています。

それにより
今の場合だと数列論、級数論、解析学などがよって立つ基礎が与えられるのです。

言葉の意味を定義することで
学問は厳密さを担保しています。

自然科学とはそういうものです。

はい、では量子力学のスピリチュアルバージョン

「潜在意識を変えれば、それが行動に反映し
周囲の人間にも伝わって
人間関係が好転し人生がうまく行く」

つじつまが合っていそうです。しかし本当でしょうか?

というよりも、「本当かどうか」を議論する前提となる「厳密性」は
担保されているでしょうか?

潜在意識、およびそれと対置される顕在意識とはそもそも何なのか?
「潜在」、「顕在」という言葉の意味は明瞭ですが
それが「意識」と結びつくと
その指し示す対象はどのようなものなのか?

科学というなら
そのような定義がきちんと為された上での議論かどうかが
大変重要です。

「意識」の定義が研究者によって異なる
という事実にも注意が必要です。

「潜在意識」に関し
話者は(イメージのみならず)明確な定義を持ち
それを聞き手に提示しているのか?
聞き手は明瞭な意味を持って言葉を受け取っているのか?(イメージだけではないのか?)

 

厳密な定義の下でなされた議論があって
初めて受け取った内容が本当かどうかの検討がなされる
それが「科学的」ということです。

更に
言葉の定義が明瞭になされたのち更に
「行動に反映し」
「周囲の人に伝わって」
「人間関係が好転し人生がうまく行く」ことを
検証によって実証しなければなりません。

ここでの検証は多くの場合統計的なものになるでしょうか。

とにかく総じて骨の折れる作業です。

科学は面倒くさいし、骨の折れる、泥臭い作業の連続なことが多い。
しかしそれを避けて通ることはできないのです。

まずは
言葉のイメージに踊らされないよう
注意することが重要です。

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